どうして私は一からやり直すのか…?

やり直すことの理由は分からなかった。
ただし、あらゆることは必然なのだと思った。

そうだ、あらゆることに必然性があるのだ、と私たちは考えた。

必然性に囚われたままでいるから、私たちは有限なのだと私たちは言った。
有限であることを宣言することが自身の限界を超出する行為であった。

それは「本当の」限界に達していなかったからだと私たちは考えた。
超出しようとしても、本当には超えられない境界があるのだと信じた。

本当の境界とは、それが本当の境界である限りで、意味のないものになる、ということを私たちは知っていた。
存在するということに意味のないものがそこに存在しなければならないという厳とした事実に私たちは息をのんだ。

もはや私たちの有限性は、閉ざされたものではなかった。線で囲まれたものではなかった。
意味のないものの存在を見つめ続けることが、私たちの有限性であると知った。

それは透明であった。
世界は透明であった。
何もないままに、遥かの果てまで広がっていた。


私は、だから、理由は分からないままだけど、これを見ていようと思った。